獣人さんとお花ちゃん【14話】最新話ネタバレ!瓦礫に埋もれた?!サナティは助かるのか?!

獣人と人間──────
種族の違う人々を隔てる高い壁は、人間が入ることを許さず、中にいる獣人は壁の外へ出ることを拒まれています。
保育士を目指す日高花は、子供が壁の亀裂に入ってしまったボールを取りに行こうとしてしていたのを見て、代わりに壁の向こうへと潜り込んでいきました。

すぐに戻るつもりが、初めて見る獣人の世界に興味を惹かれ、気付けば迷子に…!?
本来は壁を越えることを許されない人間の花

そこで出会った大柄の獣人・サナティに、見つかるや否や組み敷かれてしまいます!
『侵入者』である花を、サナティは仲間の獣人から庇い、行き場のなくなった花を自宅でかくまってくれることになりました。

この出会いをきっかけに花とサナティは互いに心を惹かれ合う存在に…!

互いを思い合う心と、時には獣のように身体を求め合うエッチは、暖かく深い繋がりを感じさせてくれます。
たくさんの隔たりを抱えた異種族恋愛の行方は必見です!!

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前回のあらすじ

種族の違いに不安はずっとついて回っていました。
花と出会う前、サナティには恋人がいて、忌み月に花と身体を重ねてしまったが為に、もしかしたらサナティを恋人から別れさせてしまったのでは…?
そんな花の悩みを聞いて、サナティは一層花が可愛くて仕方なくなります。

その夜、不安も誤解もなくなるくらい、サナティは花を深く、深く愛しました。
発情期でもないのに、花を何度も、何度も抱き尽くすサナティ。
そんなサナティの愛情を花は噛み締めます。

翌日──────

登校時間前から集まる子供たちは、夏祭りに向けて飾りの準備をすると言います。
花は学び舎の授業を急遽特別授業に切替え、子供たちと一緒に夏祭りの準備をすることにしました。
サナティとも一緒にお祭りを回る約束をして、仕事へ向かうサナティを見送ります。

女の子に教えてもらった両思いのジンクスを持つ鈴飾りの作り方を教えて貰った花は、サナティの為に早速鈴飾りを作り始めます。
その時、突然大きな地震が起こり、教室内は一瞬パニックに!?
花も子供たちも無事でしたが、アルは大きな災害があると、大人がケガをして帰ってくる合図だと悲しそうに言います。
獣人は人間の要請を受けて、災害救助の現場に向かうことが多々あります。
それは、要請というよりも反強制的なもので、断れば酷い目に遭わされ、災害地に向かったとしても、人間が向かうには危険な場所へも獣人たちは送り出されるのです。
人間と比べて獣人が身体能力に優れているからだと言われますが、公平性や人権は獣人が明らかに不利な規則がありました。

花が任されている学び舎も、獣人と人間とが互いに理解を深める一つのきっかけにと設けられたものです。
難しい問題はたくさんあり、どれもすぐに解決でないものばかり…
それでも花は、アルのキライなことが無くなるように頑張ると、慰めるようにアルを抱き締めました。

そんな時、勤務中であるはずのサナティが、花の元を訪ねてきました。

「出勤要請が出た」

サナティは、先ほどの地震で起こったトンネル事故の現場へと向かうことになりました。
花は作ったばかりの鈴飾りをお守りにとサナティに渡し、無事を祈って送り出しました。

 

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獣人さんとお花ちゃん【14話】最新話ネタバレ!

好きな感情があるとこんなにも面倒だ(1)

家に帰った花は、サナティが向かったトンネル事故のニュースを調べていました。
不安が募る中、外から聞こえてくる声は、家族や知り合いがサナティと同じように壁の外へ行った人達を心配する声が聞こえてきました。
人命救助のためとはいえ、強制的に駆り出される規則に、憤る声ばかり…
そして、花も人間として感謝や申し訳なさを感じながらも、やはり聞こえてくる声と同じように『どうして…』と思わずにはいられません。

出動要請が来たサナティを「いってらっしゃい」と送り出すしか今の花にはできません。

一方、トンネル事故の現場に到着したサナティたちは、早速人間のニオイを辿って、救助活動を始めていました。
けれど、現場においてもサナティたち獣人に対する人間の対応は冷たいものです。
獣人たちはそんな人間の態度にも諦めを持っています。
危うく什器をぶつけられそうになったサナティは、そんな人間の態度も、仲間たちの声にも黙って自分の作業を続けました。
すると、一人の人間がサナティの元へ近づき、声を掛けてきます。
逢坂という人間の男性は、サナティが危なかったのを気にして、怪我はないかと気遣ってきました。
そして、初めて直接獣人を見たと話す逢坂は、獣人をカッコイイと称賛し、素直に救助作業を手伝ってくれることに「ありがとう」と言いました。

そんな風に獣人に話し掛けてくる人間は珍しいものです。
サナティも花と出会って、人間から向けられる暖かな言葉や態度を初めて知って間もない状態です。
ましてや、他の獣人にとっては、獣人に優しさや憧れを向けてくる人間は形容し難いものでした。

逢坂との出会いも束の間、サナティたちは当初の目的であった、トンネルの内部に閉じ込められているバスを発見しました。
バスは土砂に埋まることはなく、乗員乗客は無事でした。
しかし、全員を救助し終えようとしたその時、再び余震が襲います!!
緊張感の増す現場に、娘がいないと訴える母親がいました。
バスの後部座席に隠れていたというが、揺れがある内は危険だからと作業員の一人が母親を宥めようとする中、逢坂は一人トンネルの中へと駆け込んでいってしまいます。
そして、それを見たサナティも、逢坂の後を追ってトンネルへと走っていってしまいました。

サナティと一緒に来た獣人たちは、現場の指示に従わず、危険な場所へ勝手に入っていった逢坂は迷惑でしかありません。
けれど、そもそも獣人には隠密行動が求められているというのに、突っ走ってしまったサナティは更に大迷惑です。
仲間たちは頭を抱えたり、サナティの頭の中はウマとシカでも飼っているんだろうと諦めモード。

サナティも仲間の思いを気にしていないわけではありません。
自分たち獣人を、道具としてしか扱わない人間に命を懸ける必要はないとサナティも思っています。
それでも、サナティは逢坂を追わずにいられませんでした。

好きな感情があるとこんなにも面倒だ(2)

逢坂がサナティに向けた優しさや好意に、サナティは、少しだけ花を思い出させました。
花と出会う前の昔なら、サナティは逢坂を追ったりはしなかったでしょう。
けれど、今は人間の花が好きなサナティ。
サナティの好きな花と重なるような接し方をしてくれた逢坂を、今のサナティは放ってはおけません!

好きな感情があるだけで、危険を顧みずに体が動いてしまう…
そんな自分を思い返して面倒だと思いながらも、サナティは落下物から逢坂と、逢坂が先に救い出していた女の子を間一髪で助けました。

「わんわん?」

女の子はサナティを見て声をあげます。
逢坂を助けた拍子に、被っていたフードが取れてしまったサナティは、誤魔化すように慌ててフードを被り直しました。
ところが、女の子は逢坂の腕からサナティへと飛びついて、嬉しそうにじゃれ付いてきました。
女の子は泣きながら「助けてくれてありがとう」とサナティの頭を抱き締めます。
その小さな温もりに、面倒でも悪くないとサナティは思いました。

しかし、ゆっくり落ち着いている場合ではありません。
更に余震が起こり、三人のいる場所もまた上から瓦礫が落ち始めてきました!!

トンネルの出口に女の子を抱えて飛び込んだ逢坂!
そこにサナティは続いてきません……

同じ頃、壁の中で花は揺れを感じて思わず外へ出てきていました。
サナティの無事を祈るように空を見上げていると、ふと、サナティに呼ばれた気がして、慌てて声の方へ振り返りました。

「…せんせー何してんの?」

振り返った先に居たのはリトゥスでした。
遭遇して間もなく、花は酔っぱらった獣人にぶつかって、思わずリトゥスの肩口によろけてしまいます。
花を受け止めたリトゥスは、少し呆れたように外出するなと注意しました。

尚も花は酔っ払いに絡まれてしまいます。
酔った勢いで言われた言葉は、人間が獣人の命を使ってのん気に生きているというものでした。

花は思わず言い返そうと身を乗り出しますが、それを制したのはリトゥスです。
リトゥスは、人間に文句があるなら外に出た時に大声で叫べと言って、絡んできた酔っ払いを軽く足蹴にしました。

好きな感情があるとこんなにも面倒だ(3)

リトゥスに蹴られた酔っ払いは、人間に直接文句なんて言えたらこんなに酔うわけないと捨てゼリフと共に友人に連れられて帰って行きました。

リトゥスは、花にも何でも言い返すクセを止めろと苦言を呈します。
以前、学び舎に嫌がらせをしようとした獣人に向かっていった姿をリトゥスは知っているので、花のことを危なっかしいと思っていました。

「それです、リトゥスさん!」

花はリトゥスの話を聞いて、思いつたようにリトゥスの手を握り締める花に、リトゥスは花が何を言っているのか分からない様子で聞き返しました。

花は、獣人たちにも選ぶ権利をもらえる突破口を探しているのだと話しました。
今ある規則では、人間にばかりに有利で、人命救助のために協力を求めているはずの獣人には、選ぶ権利はありません。
獣人から声をあげるのは難しくても、今は人間の花が獣人側にいる!
花は特例保護局員としての自分の声を通して、獣人たちが抱える思いの声をあげていこうと言いました。
リトゥスは花の考えは安易だと言います。
例え花が声をあげたとしても、それが現状を大きく変えるような何かに繋がるとは思えません。
花もそれは分かっています。

「前例がないので何が起こるかわかりませんね」

花は楽しみだと言って、リトゥスに微笑みました。
何かに吹っ切れたように晴れやかな表情になった花に、リトゥスは全く付いて行けず、ポジティブすぎる花を怖いとすら思いました。

今さっき、酔っぱらった獣人に人間を侮辱するような嫌味を言われました。
獣人の訴える声というには悪意そのままです。
それでも、花はその声をそのまま受け止めたのです。

リトゥスは出会いから花は不思議でした。
花がサナティと付き合っているのは知っていますが、以前サナティとナナィが一緒にいる所を見ていたリトゥスは、サナティの浮気を疑ったこともありました。
今の花の様子を見る限り、浮気の線はなかったようだと推測しますが…

────── 俺、あの人間のこと心配し過ぎじゃね? ──────

リトゥスは、ふと感じた思いを振り払うように家路につきました。

一方、リトゥスと別れて帰宅した花はやる気に満ちていました。
行動したとしても、結果に繋がるか、劇的な変化をもたらせるかはわかりません。
それでも、花は、例え自己満足になってしまったとして、何もできることがなくて、ただ空を眺めて無事を祈るだけよりはずっといいと思いました。
嘆願書の書き方を調べながら、花は帰ってきたサナティにも、不満に思っていることを書いてもらおうと思いを馳せます。

お帰りなさいと一緒に…──────

その頃、サナティが崩れ落ちてきたトンネルの天板に埋もれていたなどは知るよしもありません。
落ちてきたのが薄めの天板だったとはいえ、サナティの力をもってしても身体は動かせない状態になっていました。

外から聞こえる仲間の声。
トンネルの外で、サナティの居場所を探ろうとする面々は、ニオイは近くに感じても土埃で正確には分からずにいました。

サナティも仲間の呼ぶ声を聞こえています。
けれど、痛みで声が出せず、息も苦しい状態…どこか折れたか、潰れたか…考えても分かりません。

人間の作業員から、獣人の作業は終わったと告げられ、撤収しろと言われてしまいます。
サナティの無事を確認することもなく、どうせ死んでいるから諦めろと言う人間に、憤りを隠せない獣人たち。

既に作業を終えたと認識している人間たちは、トンネルを一時封鎖するといって、サナティを自分たちだけでも探そうとする獣人たちを遠ざけようとします。

取り押さえられ、いよいよ動きを封じられる獣人たちは、尚もサナティに呼び掛けました。
声が聞こえていても、思うように声を出せないサナティは瓦礫に潰されながら悔しさを滲ませます。

「あのメスが泣くぞコラ!!」

その声にサナティはハッとしました!!
サナティの帰りを待っている花…絶対に悲しませてはいけない……!?

サナティは、声が出せない代わりに、花に貰った鈴飾りをポケットから取り出すと、地面に落としました。
その鈴の音で仲間たちに無事を伝えたのです。

仲間たちが駆けつける声を聞きながら、サナティは花を想い目頭を熱くしました。

 

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獣人さんとお花ちゃん【14話】最新話ネタバレ!感想

獣人と人間の間にある隔たりは、とても複雑で、簡単に取り除けるものではありません。
それは、花とサナティが出会ってからもずっとつきまとう問題です。
だからと言ってすぐに解決できることではなく、双方の理解と親善となると、とても道のりは長いものでしょう。

人命救助の要請を受けたと聞いて、サナティの無事を祈りながら送り出すしかなった花。
酔っ払いに絡まれたことをきっかけに、何もできないと嘆くより、自分の立場からできることを模索した花をリトゥスはまた気になっていってしまったようですね。

花と出会ったばかりのサナティを見ているみたいで、リトゥスの心情が多く語られた今回のお話は凄く楽しかったです!
花とサナティの絆は強固なものですが、リトゥスの存在は今後二人の…というか、サナティの心をざわつかせる存在になっていきそうな感じがします。

順風満帆より刺激があった方が物語としては楽しめますよね。
でも、傷ついたり、命の危険がある展開は、どうしてもハラハラ、ドキドキしてしまいます。
ただ、人間の中で獣人に心を向ける花が特別な存在ではないと、逢坂くんの登場で感じられて良かったです。

最後に助け出された女の子も、サナティを見て怖がるどころか懐いていて、そういう子から素直に『ありがとう』と言われて、染みるのも、きっとサナティが花と出会って価値観が変わったからですよね。

サナティ自身は『面倒』だなんて形容していますが、人間が獣人を、獣人が人間を思い合うことは双方にってステキなことだと感じさせてくれます。

逢坂と女の子を先に逃がし、生き埋めになってしまったサナティ。
仲間の声に答える術がなくて途方に暮れるサナティを突き動かしたのもやはり花でしたね。

花がくれたお守りは、本当にサナティを救ってくれました。
サナティにとって、これがどれ程大きなことだったか…

無傷とはいかないでしょうが、どうか無事に花の所に帰って欲しいです!!


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