食糧人類【1巻】ネタバレ！隠された施設に拉致された彼らが見たものとは！？

極普通の高校生・伊江は、
親友のカズとバスへと乗り込みます。

すると、何故か“催涙ガス”が車内に充満。

気を失い、次に目を覚ました伊江の目に映ったのは、
冷凍された人間が床を埋め尽くす異様な光景。

人間の飼育室？
人間を肥育？

伊江は訳も分からず、途轍もない事に巻き込まれていくのでした。

食糧人類【1巻】ネタバレ

隠された世界の異常を知る

カレンダーでは3月の筈なのに、真夏のような暑さが続く異常気象が世界を襲っていました。

学校終わりの伊江とカズは、帰りのバスの中で、
崩れていく世界の異様さを口にします。

しかし、会話の途中でカズが眠ってしまっていることに気が付いた伊江。

周りを見渡すと、バスの乗客全員が何故か眠ってしまっている事を知ります。

運転手がガスマスクを付けているのに驚愕するも、
車内中に充満した“催涙ガス”によって、意識を飛ばしてしまうのでした。

意識が戻ると、眠った人たちと一緒にトラックの荷台に積まれてしまっていたのです。

全く状況が分からない伊江が体を起こし、辺りを見渡すと、
そこには愕然としてしまうような光景が広がっていました。

工場のように広い床の上に敷き詰められたように置かれた、
冷凍された人間たち。

太った人間はベルトコンベアの上に寝かせられ、
機械の中へと吸い込まれていきます。

そして、機械から出てきた時には瞬間冷凍されてしまっていたのです。

そのまま切断機に掛けられてしまう惨たらしい場面を目撃してしまった伊江は、
言葉を失ってしまいました。

すると、作業服を身に纏った男に無理矢理連れていかれてしまった伊江。

いきなり放り込まれた部屋で見たものは、
天井から吊るされたチューブを無我夢中で加える全裸の人間たちの姿……。

その中に、バスで一緒だったカズが居ることに気がつきます。
ですが、先ほどまでのカズとは、まるで別人のように変わり果てた姿に変貌していたのです。

「そ…そんなことよりよ……コレ飲まねーか？スッゲェうめーよ、コレ」

全く危機感を感じている様子もないカズは、
チューブから溢れ出る液体を伊江に勧めてきたのでした。

喉の渇きから手を伸ばし掛けますが、何者かに止められます。

「飲むな」と警告してきた青年・ナツネと、伊江の汗を貴重な水分だと舐め取る、
少し変わった男・山引と出会ったのでした。

そして、今自分が人間の『飼育室』及び『肥育場』に居るのだと告げられたのです。

人間を飼育する意味

まるで殺されて食べられるみたいじゃないかと、
伊江は混乱しながら話し出しました。

「人間が人間を食べるなんて、共食いじゃないですか。ありえないですよ」

「普通……そう」と呟いた山引を無視するように、伊江は壁に向かって助けを呼び始め出します。

そんな伊江の行動に激怒し、殴り出すナツネ。

すると、閉じられた扉が開く音が部屋に響いたのです。

「いいか…死にたくなければ例の液体を飲むフリをしろ！！」

ナツネに言われたことを守り、何かが入ってくる気配を背後に感じながら、
必死に飲むフリをする伊江の目に映ったのは、蛇のように蠢く触手だったのでした。

触手は床に寝そべった人を半分に切断し、伊江の後ろへと引き摺られていきます。

背後で響く、何かが人を貪り食べる生々しい音。

なんだ？一体俺の後ろには何がいるんだ？

恐怖に駈られる中、漸く生物の気配がなくなると、
今度は残骸を片付けにやって来た作業服姿の男たちが入ってきます。

すると、ナツネと山引が男たちにチューブを加えさせ、
飼育室から見事脱出する事が出来たのでした。

男たちから奪った作業服を来たナツネと山引の後を付いていく伊江とカズ。

他の作業員に見付かるも、ナツネと山引は新人だと間違われ、
処分場へ行くついでに面白いものを見せてやると、別の場所へと案内されます。

そこには、性欲しか持つことの出来なくなった人間達の叫びが飛び交う、
残酷的とも言える場所だったのです。

隠されたふたりの目的

そこは『生殖種』を隔離する牢獄。

強力な興奮剤を打たれた男性は、一生交尾のことしか考えられなくなり、
女は産め続けられるだけ出産を繰り返す。

そんな悲惨な場所を目の当たりにした４人。

「『あの方たち』には逆らうべからず……だよなぁ」

作業員の一言に、家が“あの方”とは誰なのか、ここは一体どこなのかと作業員に詰め寄る伊江。

しかし、騒ぎになる前に山引が作業員のひとりに興奮剤を打ち込み、
牢屋に閉じ込めてしまったのでした。

一刻も早く、こんな施設から出ようと伊江が騒ぐも、
ナツネと山引には、どうやら目的があるようです。

「俺たちには……やることがある……」

「この施設ねぇ……面白くて素敵なトコだと思いません？」

すると、カズがいきなり叫び始め、慌てて駆け寄ると、
そこにはまたも巨大な生物らしき塊が並べられていました。

天井には様々な国の言葉が照らし出されたモニター。

しかし、またも別の作業員が現れ、確認する間もなく、
伊江達は用具室へと身を潜めます。

どこか緊張したような、怯えた様子で作業する作業員たちの耳に、
突如届く警報器の音。

ふたりの作業員が脱出できずに取り残され、
謎の塊から生まれた蟷螂のような姿をした生物に皮膚を剥がされてしまったのでした。

謎の生物が生息する施設は一体なんなのか！？

そして『あの方』とは―――！？

 

 

食糧人類【1巻】感想

謎ばかりな展開に、思わず夢中になってしまいました。

伊江とカズはこのまま無事に施設を抜け出せるのかも気になりますが、
ナツネと山引の目的にも興味津々です。

施設に蠢く生物はなんなのか。

グロテスクでありながら、ミステリーのような感覚で、
推測しながら読み進めるのも面白いかもしれませんね。

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